限定自動車検査証

限定的に公道を走れる

自動車検査証

【再検査のため】

ユーザー車検で不合格になってその日のうちに調整するのが無理な場合、とりあえず自宅へと帰還して再検査に備えて体勢を整えなおします。 ですが車検を通らなかった自動車が帰り道の公道を走ることに疑問を感じたり、これはおかしいのではと不思議な気分にさせられること、その点を指摘する人もいます。 車検を通過できなかった自動車は保安基準を満たしていないことがこのうえなく明白であるので、私有地なら問題なくとも公道の走行は基本的には認められていません。 でもそれでは修理や調整をするために工場へ持ち込む手段に困ってしまいますし、車検の帰り道にもその自動車を運転して我が家へと、というプランは不可能になってしまいにっちもさっちもいかなくなります。 帰り道はレッカーで、というのも酷な話ですし再び整備して検査を受けるまでの期間に限定して走行を許可するために、限定自動車検査証があるのです。 限定自動車検査証は有効な期間が記されている車検証のような部分と、その自動車が検査で不合格になった箇所が記された部分で構成されています。 なので限定自動車検査証を持って修理工場へ行けばどこを修理すればいいのかがすぐに分かるようになっており、整備士も手早く作業を開始できるという塩梅です。 再検査でチェックされるのがどこかが分かるので、どこが調子悪いのかを調べる余計な仕事を省くことができるため最高速度で作業を終わらせて すぐにでも再検査を受ける準備を整える手助けを任せられるのです。 限定自動車検査証は最長でも2週間程の期間しか認められないので、修理のスピードがことのほか重要になってきます。 この有効期間を過ぎてしまったら今度こそ公道の走行が出来なくなるので、1秒も無駄に出来ない心境の自動車オーナーにとってこれはありがたい仕組みでしょう。

【限定の有効期限】

限定自動車検査証の有効期間はどのケースでも一律というわけではありません。 「重大な欠陥があるほど短くてワイパーが動かない程度の軽い整備不良なら長めの期間が設定されるのかな?」と推理するかもしれませんが、整備の程度で変動する仕組みになっているわけでもありません。 最大で15日が有効期限と設定されている限定自動車検査証ですが、その期限の算出方法はもともとの車検の有効期限によって変わってきます。 前回の車検の有効期限が11月11日だった場合、11月1日に限定自動車検査証を発行されるとしてもし15日の期間が認められてしまうと、 本来の車検の有効期間を大幅にオーバーすることになってしまいます。 これは由々しき問題で、整備及び修理のために限定的に認められる期間のはずが、本来の有効期間を上書きして延長することになってしまいます。 こんな理屈が許されるわけもなく、発行から15日以内に本来の有効期間がある場合はそちらを優先するように決められているのです。 2月22日に車検が切れる自動車で2月20日に限定自動車検査証を発行してもらう場合、2月22日までしか猶予はないということです。 3月1日に車検が切れるけど2月1日に限定自動車検査証を受け取れるのなら最大の15日間が期間として設定されますが、車検の切れる日が間近に迫っていればその分削られてしまうので、 この点を覚えておきましょう。 そしてその期間内に再検査を受けて合格しなかったらもうそのままでは公道を走行することの不可能な自動車になってしまいます。

【検査合格】

検査が終わって全ての項目が無事合格になったら(再検含む)、受付で新品の車検証と待ちに待った検査標章を受け取ることができます。 合格欄がひとつ残らず押印されている自動車検査票をうっとりと眺めて幸せな気持ちにいつまでも浸り続けたいでしょうが、手続きを進めないとおうちに帰れません。 記念に写メでも取って後で何度でも見ればいいですし、なんなら友人にメールで報告してもいいですからとりあえず目先の受付を済ませてしまいましょう。 必要な書類をまとめて提出すれば確認後に有効期限の更新された車検証と検査標章が交付されますので、車検証はダッシュボードに大切に保管して、検査標章は古いのを剥がしてから 同じ位置に新品を貼り付けます。 ついでに検査標章の写メも撮影しておくと、あとから友人に報告するのに役立つかもしれませんし全く役に立たないかもしれません。 ここまでやってようやくユーザー車検も完了となります。 調子のよいベストコンディションのマイカーに乗り込んだらドライブ気分でちょっと大回りをして自宅まで運転しましょう。 途中で景色の素晴らしい海岸や東尋坊で休憩をはさみつつ、のんびりとスピードに気をつけながら車を走らせます。 いい波がきているようならそれも写メで撮影をしてしまったり、多少浮かれても損はありませんので遠慮は無用です。 家に到着したら今日一日撮影したものを交えながら何人かにメールで報告して、長かったユーザー車検も幕を閉じます。